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羽二重餅とは?福井銘菓の魅力
羽二重餅は、福井県を代表する銘菓として全国的に知られています。
その名は、福井の名産品である羽二重織という絹織物に由来します。羽二重織は、羽のように柔らかく、しなやかでコシのある風合いが特徴の高級絹織物です。この羽二重織の優美さを和菓子で表現しようと、明治38年に松岡軒で発売されたのが羽二重餅の始まりです。
口に含めば、ふわりととろける独特の食感。ほんのりともち米の優しい甘さが広がります。添加物や保存料を使わず、シンプルな材料だけで作られる羽二重餅は、まさに職人技の結晶といえるでしょう。
なめらかな口当たりとほのかな甘さは、羽二重織の優美さそのもの。今や福井を代表する銘菓となった羽二重餅ですが、その美味しさの秘密は材料と配合にあります。
羽二重餅の基本材料|シンプルだからこそ奥深い

もち粉|羽二重餅の土台となる主役
羽二重餅の主材料は、もち粉です。
もち粉とは、もち米を挽いて粉状にしたもの。通常のお餅は「もち米」を蒸してついたものですが、羽二重餅には「もち粉」を使用します。この違いが、羽二重餅独特のなめらかさを生み出すのです。
もち粉の品質が、羽二重餅の食感を大きく左右します。粒子が細かく上質な「羽二重粉」を使用すると、より滑らかで上品な仕上がりになります。有名な餅米としては、羽二重餅米(滋賀県)、こがね餅米(新潟産)、ひよく餅米(熊本産)などがあり、それぞれ食感が異なります。
京都丹波の亀岡産のもち米は、昼夜の気温差が激しい環境で育つため、力強くコシがあるのが特徴です。福井県産の餅粉とブレンドすることで、羽二重餅の独特で繊細な食感が生まれます。
砂糖|甘さと柔らかさのバランス
砂糖は、羽二重餅に上品な甘さと柔らかさをもたらします。
砂糖の量は多すぎても少なすぎても、絹織物が持つかげりのある白さとなめらかな食感は生まれません。創業者が考案した秀逸な配合によって、「ひらひらとしたしなやかな風合い」が実現されています。
ビートグラニュー糖など、上質な砂糖を使用することで、雑味のない優しい甘さに仕上がります。時代の嗜好に合わせて、甘さは少し控えめになっているようです。
水飴|なめらかさと保湿性の秘訣
水飴は、羽二重餅のなめらかさと保湿性を高める重要な材料です。
水飴を加えることで、餅が固くなりにくく、しっとりとした食感が長持ちします。二日経ってもしっとりやわらかい羽二重餅の秘密は、この水飴にあるといえるでしょう。
材料はもち粉、砂糖、水飴のみというシンプルさ。しかし、この三つの材料の配合バランスこそが、羽二重餅の美味しさを決定づけるのです。
プロが実践する配合のコツ|黄金比率を探る

基本配合の考え方
羽二重餅の基本配合は、もち粉と砂糖と水飴のバランスが鍵です。
家庭で作る場合、白玉粉50gに対して砂糖10g(パルスイートの場合)または30g(普通の砂糖の場合)、水80ccという配合が一つの目安になります。ただし、これはあくまで基本的な配合であり、プロの和菓子店ではそれぞれ独自の配合を持っています。
「配合だけは変えてはならない」と厳命されてきた配合を、今でも頑なに守り続けている老舗もあります。この配合の秘密が、元祖ならではの「ひらひらとしなやかな風合い」を生み出しているのです。
季節や湿度による調整
同じ材料でも、季節や湿度によって水分量が微妙に異なります。
餅は湿度が高い日はくっつきやすくなりますが、防ごうとして取り粉を多くすると、味に影響が出てしまいます。繊細な餅菓子は、作る工程でこまやかな調整が必要です。そこに欠かせないのが「職人の手」なのです。
職人は餅の柔らかさを手で確認しながら、水分量を微調整します。この手加減が、羽二重餅の「ひらひらとしなやかな風合い」を生み出すのです。
もち粉の選び方と配合比率
もち粉の選び方は、羽二重餅の品質を左右する最重要ポイントです。
和菓子店で使われている羽二重餅のお餅は、基本的に「求肥」で包まれていることが多く、お砂糖類が多く入っています。なので、柔らかくて伸びる食感になります。もともと美味しい餅米を使用する必要があり、もち米の性質がそのまま出てくるわけです。
京都丹波の亀岡産のもち米と福井県産の餅粉を独自にブレンドすることで、上品な米の香りと甘さが味わえる羽二重餅が完成します。選び抜かれた素材と職人の腕によって作り出される羽二重餅は、口の中で優しくとろける食感とともに、米の香りと甘みも楽しめます。
なめらかな食感を生み出す製法のポイント

蒸し方が美味しさを決める
羽二重餅づくりは、もち粉と水を混ぜて高温で一気に蒸し上げるところから始まります。
生地がダマにならないよう丁寧にこねて蒸す工程は、羽二重餅づくりでいちばん大切な作業ともいわれます。電子レンジでは美味しくできません。なぜなら、餅を作るときは、熱+水分=蒸気で蒸すのが一番おいしいからです。
蒸気で蒸すことで、餅粉に水分が均一に行き渡り、なめらかで美味しい餅が出来上がります。レンジでは熱を入れただけで、水分が加わらないため、美味しくありません。
練り方のコツ
蒸し上がったら砂糖や水飴を混ぜ、じっくりと弱火で練っていきます。
この練りの工程が、羽二重餅の食感を大きく左右します。ホームベーカリーやフードプロセッサーを使う場合でも、なめらかな餅になるまで7~8分つく必要があります。フードプロセッサーの場合は、30秒ついたら水をつけたヘラで周囲に付着している米粒を寄せ、さらに30秒ついて寄せてはつきを繰り返し、合計で1分30秒から2分つきます。
上質な材料を使い、時間をかけて練り上げることで、独特のしなやかさ、なめらかなコシが生まれます。
成形と仕上げ
練り上がった生地を薄く伸ばし、長方形に切り分ければ羽二重餅の完成です。
片栗粉を敷いたバットに取り出し、手の平かめん棒で優しく押して伸ばします。切りやすい固さになるまで、3時間から一晩置きます。余計な片栗粉を払って切り分け、餅を二枚重ねにして完成です。
工程自体はシンプルですが、材料の配合が仕上がりを大きく左右し、それぞれの製造元独自の味や食感につながります。
羽二重餅と求肥の違い|材料は同じでも別物
原料は同じでも用途が違う
羽二重餅と求肥の原料は、どちらももち粉と砂糖、水飴です。
できあがった生地の見た目もほとんど変わりません。しかし、求肥は薄くのばしても柔らかく伸びがよいので、さまざまな和菓子に使われています。いちご大福のように餡や果物などを包んだり、練り切りのつなぎとして混ぜ込んだり、カステラ生地の餡にするなど、主にお菓子の「素材」として活用されます。
一方、羽二重餅は単体として味わうことの多い和菓子です。求肥をきめ細かく磨き上げ、洗練させて美しい和菓子として完成させたのが羽二重餅だといえるかもしれません。
羽二重餅ならではのこだわり
羽二重餅を製造する和菓子メーカーの多くが、羽二重餅にはもち粉のなかでも特に粒子が細かく上質な「羽二重粉」を使用するなど、原料からこだわって作られています。
材料のもち粉は京都丹波の亀岡産と福井県産の米粉を独自にブレンド。北海道のグラニュー糖や水あめなどの仕入れ先も、当初から変えていない老舗もあります。体のことを考えて保存料などは一切使っていないため、作り置きや大量生産ができず、今でも注文状況を確認しながら、毎日店の奥の作業場で丁寧な手作業で製造しています。
だからこそ羽二重餅は、他とは似て非なる味わいでファンを惹きつけて離さないのです。
美濃与の和菓子原料で本格的な羽二重餅作りを
羽二重餅作りには、上質な材料選びが欠かせません。
美濃与では、和菓子原料を専門に取り扱っており、羽二重餅作りに必要な材料も幅広く提供しています。特一号晒餡や冨士印晒餡など最高級の白餡から、本蕨粉、本葛、随一本葛など最高級澱粉まで、プロの和菓子職人が使用する高品質な原料を揃えています。
しるこ用材料及び種物、果実類、葉及びその他植物類、各種澱粉類、栗・梅類、オリジナル商品、着色料の7つのカテゴリーで、和菓子製造に必要な原料を幅広く提供。業務用大容量パッケージでの販売が中心で、本格的な和菓子作りをサポートします。
羽二重餅は、シンプルな材料だからこそ、素材の品質が味を左右します。美濃与の高品質な原料を使えば、プロの味に近づけるでしょう。
まとめ|羽二重餅は材料と配合、そして職人技の結晶
羽二重餅の美味しさは、シンプルな材料と絶妙な配合、そして職人の技術によって生み出されます。
もち粉、砂糖、水飴というたった三つの材料。しかし、その配合バランスと製法が、羽二重織のようなしなやかで上品な食感を実現しています。蒸気で蒸し、時間をかけて練り上げる工程は、手間がかかりますが、その手間こそが美味しさの秘訣です。
季節や湿度による微調整、もち粉の選び方、練り方のコツ。これらすべてが、羽二重餅の品質を決定づけます。求肥と同じ材料でありながら、羽二重餅は単体として完成された和菓子として、多くの人々に愛され続けています。
本格的な羽二重餅作りに挑戦したい方は、美濃与の高品質な和菓子原料をぜひご活用ください。プロの味に近づく第一歩となるでしょう。
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