豆腐製造の過程で出る「おから」は、年間数十万トン規模で発生する大豆副産物です。食物繊維・タンパク質・ミネラルが豊富で栄養価が高い一方、家庭での活用法を知らないまま処分される量も多いのが現実。最近ではアップサイクル素材としての注目度も上がり、家庭料理から業務用商品開発まで幅広い活用が広がっています。
本記事では、おからの発生のしかたと成分、調理や食品原料としての扱いを整理し、美濃与が大豆珈琲の副産物から作る「和のカカオ」との違いを紹介します。
おからとは|豆腐製造の副産物としての成り立ち
おからは、豆腐や豆乳を作るときに大豆を絞った後に残る「搾りかす」です。白くてふわふわした見た目で、栄養価が高く、古くから日本の食文化に根付いてきた副産物食材です。
おからの作られ方
大豆を水に浸して柔らかくし、ミキサーで砕いて煮詰め、布で絞ります。絞った液体が「豆乳」、布に残ったものが「おから」です。豆乳を凝固剤(にがり等)で固めると豆腐になります。おからは豆腐・豆乳製造で必ず出る副産物で、業界全体では発生量も大きくなります。
「卯の花」「雪花菜」と呼ぶ理由
おからには「卯の花(うのはな)」「雪花菜(きらず)」という別名があります。卯の花はウツギの白い花に見立てた呼び名で、雪花菜は「切らずに食べられる」ことから付けられた名前です。江戸時代から商人や庶民の食卓で親しまれてきた、日本の伝統的な食材です。
国内のおから発生量と廃棄問題
国内のおから発生量は年間数十万トン規模とされています。そのうち食用として利用される分は限られ、大半は飼料・肥料・廃棄物として処理されています。栄養価が高い食品でありながら活用しきれていない代表例で、ここ数年はアップサイクル食材として再評価が進んでいます。
おからの成分と、食品素材としての位置づけ
おからは栄養価の高い食材です。代表的な成分を整理します。
食物繊維がたっぷり
おからの最大の特徴は食物繊維量。100gあたり約11g含まれ、ごぼう(5.7g)の約2倍、レタス(1.1g)の約10倍です。この食物繊維量の多さが、おからを食品素材として使う理由になっています。なお一般の食品に、体への効果や効能を書くことはできません。
植物性タンパク質とイソフラボン
大豆由来の植物性タンパク質を100gあたり約6g含みます。動物性タンパク質を控えたい方、ヴィーガン・ベジタリアン向け食材として優秀。
肉料理のかさ増し
ハンバーグ・つくねなどの肉料理におからを混ぜると、肉量を減らしつつ食べごたえを保てる「かさ増し」の使い方があります。
家庭でできるおからレシピ|ハンバーグ・サラダ・ケーキ・クッキー
おからは家庭料理で幅広く使えます。簡単で人気のレシピを4タイプご紹介します。
おからハンバーグ|肉の一部を置き換える
合いびき肉:おから=7:3の比率で混ぜて、玉ねぎ・卵・パン粉・調味料を加えるだけ。フライパンで両面焼くだけの簡単レシピです。
おからサラダ|ポテサラの代用に
炒ったおからにマヨネーズ・きゅうり・にんじん・ハム・ゆで卵を混ぜれば、おからサラダの完成。ポテトサラダのじゃがいもをおからに置き換えるイメージで、お弁当の副菜にも使えます。
おからケーキ|小麦粉の代わりに
パウンドケーキの小麦粉を半分おからに置き換える作り方です。卵・砂糖・バター・牛乳を混ぜ、生のおからを加えて、170℃で40分焼くだけ。豆乳でバターと牛乳を置き換える作り方もあります。
おからクッキー|小麦粉ゼロでも作れる
乾燥おからパウダー・卵・砂糖・植物油を混ぜて天板に並べて焼くだけ。小麦粉を一切使わないグルテンフリークッキーが作れます。ココアやチョコチップを加えてアレンジも自由自在です。
卯の花・煮物などの伝統料理での活用
おからは家庭料理だけでなく、日本の伝統料理でも重要な食材です。
卯の花の炒り煮|おふくろの味の代表
おからを油で炒り、にんじん・しいたけ・ひじき・油揚げ・葱と一緒に出汁・醤油・みりんで煮含めた「卯の花の炒り煮」は、日本の家庭料理の定番です。冷めても美味しく、お弁当のおかずや副菜に重宝します。地域によって具材や味付けが異なり、家庭ごとの「おふくろの味」として継承されています。
おからは水分を吸う
おからは水分を吸いやすく、料理によっては水分量の調整が必要です。生おからを使う場合は、フライパンで軽く炒って水分を飛ばすと風味が立ちます。乾燥おからパウダーは吸水量が大きいため、使う場合は加水量を試作で確かめてください。
おからのデメリットと保存方法
栄養価が高いおからですが、扱う際の注意点もあります。
傷みやすいので保存に注意
生おからは水分量が多く傷みやすいため、入手後は早めに使います。市販品は表示された保存方法と期限に従ってください。
大豆アレルギーには注意
おからは大豆由来の食材なので、大豆アレルギーの方は摂取を避けてください。家族や来客向けに料理を作る場合も、アレルギー有無を確認するのが安全です。市販の加工食品を選ぶ際も、原材料表示を必ず確認しましょう。
業務用アップサイクル素材としてのおから
家庭料理だけでなく、2020年代に入ってからは食品メーカーがおからをアップサイクル素材として商品開発に活用する事例が増えています。お菓子・パン・プロテインバーなど展開先も広がっています。
乾燥パウダー化による食品素材展開
生おからを乾燥・粉砕した「おからパウダー」は、保存性が高く加工適性にも優れる素材として、パンケーキミックス・クッキー・グラノーラ・プロテインバーなど多様な商品に採用されています。
グルテンフリー食品の素材
小麦を使わない食品の開発で、おからパウダーは小麦粉の一部を置き換える素材として使われています。グルテンフリーのパンや菓子の生地に一部配合される例があります。
飼料・肥料を超える「食用循環」へ
従来、おからの大半は飼料や肥料として処理されてきましたが、食用としての価値を再発見する流れが本格化しています。「廃棄物として処理する」から「商品として販売する」への転換は、廃棄コストの削減と新規事業の創出を同時に実現できます。詳しくは「食品アップサイクルとは」で関連事例をまとめています。
美濃与の大豆副産物活用|大豆珈琲の副産物から和のカカオへ
京菓子原材料の専門商社として120年以上の歴史を持つ美濃与は、大豆珈琲をつくる際に出る副産物(豆粕・微粉)を「和のカカオ」として原料化しています。視点が違いますが、同じ「大豆を起点にした副産物活用」という方向性です。
大豆珈琲をつくる際に出る副産物
美濃与の大豆焙煎所では、国産大豆を焙煎・粉砕して大豆珈琲を製造しています。その際に出る副産物(豆粕・微粉)を捨てずに食品素材として活用しています。
「和のカカオ」プロジェクト
この副産物を原料化したカカオ代替素材が「和のカカオ」です。提供形態はパウダーのみで、サンプルのご請求を承っています。
サンプルのご請求
和のカカオのサンプルをご希望の方は、お問い合わせまたは資料ダウンロードからご相談ください。事業内容は事業内容・選ばれる理由、発注の流れは導入の流れ・発注方法でご確認いただけます。
よくある質問
Q1. おからは生でも食べられますか?
生おからは大豆を煮る工程を経た食品ですが、青臭さが残ることがあるため、そのまま食べるより軽く炒るか加熱調理してから使うのが一般的です。水分が多く傷みやすいので、市販品は表示された保存方法と期限に従い、開封後は速やかに使ってください。
Q2. 和のカカオのサンプルは取り寄せられますか?
はい、承っています。お問い合わせからご連絡ください。和のカカオはパウダーでの提供です。
まとめ|おからは家庭から業務用まで活躍する大豆副産物
おからは豆腐製造の副産物でありながら、食物繊維・タンパク質・大豆イソフラボンなどを豊富に含む栄養価の高い食材です。家庭料理ではハンバーグ・サラダ・ケーキ・クッキー・卯の花の炒り煮など多彩なレシピに活用でき、業務用ではグルテンフリー食品やプロテインバーの素材として商品化が進んでいます。
京菓子原材料の専門商社である美濃与は、大豆珈琲をつくる際に出る副産物(豆粕・微粉)を「和のカカオ」としてアップサイクル展開しています。「大豆を起点にした副産物活用」を検討中の方は、お問い合わせまたは資料ダウンロードからお気軽にどうぞ。
参考文献・出典
- 食品成分データベース:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」おから・生
- おからの活用と食品アップサイクル事例:losszero「豆腐の副産物・おからの廃棄量と活用方法」









