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夏の和菓子といえば、透明感あふれる葛餅。
ぷるんとした食感と、ひんやりとした口当たりが夏の暑さを忘れさせてくれます。しかし、プロのような仕上がりを実現するには、いくつかの重要なポイントがあることをご存じでしょうか。本葛粉の選び方から、なめらかな食感を生む練り方、美しい透明感を引き出す温度管理まで、葛餅作りには奥深い技術が詰まっています。
この記事では、創業120年の歴史を持つ美濃与が培ってきた知見をもとに、お客様に喜ばれる涼菓子作りの秘訣をお伝えします。和菓子店や製菓メーカーの方々が、夏の定番商品として自信を持って提供できる葛餅を作るための、実践的なノウハウをご紹介していきましょう。
葛餅とは?発酵と非発酵の違いを知る

葛餅には大きく分けて2つの種類があります。
一つは本葛粉を使った関西風の葛餅。もう一つは小麦澱粉を発酵させた関東風の「久寿餅」です。本葛粉を使った葛餅は、葛粉と水、砂糖を混ぜて加熱し、透明でぷるんとした食感に仕上げます。一方、関東の久寿餅は小麦澱粉を450日もの長期間発酵させた原料を使用し、独特の風味と食感を持つのが特徴です。
発酵させた久寿餅には、植物性乳酸菌が豊富に含まれており、健康面でも注目されています。江戸時代から続く伝統製法で培われた乳酸菌は、体内環境を整える働きが期待されており、「くず餅を食べると調子が良い」という声も多く聞かれます。
本記事では、本葛粉を使った関西風の葛餅の製法を中心に解説していきます。
本葛粉の選び方が仕上がりを左右する
純度の高い本葛粉を見極める
葛餅作りの第一歩は、良質な本葛粉を選ぶことから始まります。
市販されている葛粉には、純度100%の本葛粉から、馬鈴薯澱粉やコーンスターチを混ぜた混合品まで様々な種類があります。本葛粉は葛の根から採取される澱粉で、採取量が少なく手間がかかるため、価格は高めです。しかし、その分、透明感と弾力性に優れ、なめらかな食感を実現できます。
本葛粉を選ぶ際は、原材料表示を必ず確認しましょう。「本葛粉100%」と明記されているものを選ぶことが、プロの仕上がりへの近道です。混合品では、透明感や食感が劣り、葛餅本来の魅力を引き出すことが難しくなります。
保管方法と鮮度管理
本葛粉は湿気を嫌います。開封後は密閉容器に入れ、冷暗所で保管してください。湿気を吸うと固まりやすくなり、溶けにくくなるため、使用前に常温に戻してから計量するのがポイントです。

なめらか食感を生む練り方の技術
水との混ぜ方が成功の鍵
葛餅作りで最も重要なのが、葛粉と水を混ぜる工程です。
葛粉は水に溶けにくい性質があるため、加熱前にしっかりと溶かしておく必要があります。鍋に葛粉と水を入れたら、泡立て器やゴムベラを使って丁寧に混ぜ、ダマが残らないようにします。この時、葛粉が底に沈殿しやすいので、加熱を始める直前まで混ぜ続けることが大切です。
混ぜ方が不十分だと、加熱中にダマができたり、透明感が損なわれたりします。もしダマが残る場合は、網じゃくしや茶こしで濾すと、なめらかな仕上がりになります。
加熱と練りのタイミング
葛粉と水を混ぜたら、中火にかけて加熱を始めます。
鍋底から絶えず混ぜ続けることが重要です。木じゃくしを鍋底に当て、円を描くように力を入れてよく練り混ぜます。加熱が進むと、葛粉が透明になり始め、粘りが出てきます。この時、焦がさないように注意しながら、しっかりと練り続けてください。
透明になってきたら弱火にし、艶と弾力が出るまで練り上げます。この工程を怠ると、食感が硬くなったり、透明感が不十分になったりします。葛粉が完全に透明になり、重たくなるまで練り続けることが、プロの仕上がりへの秘訣です。
美しい透明感を出す温度管理
加熱温度のコントロール
葛餅の透明感は、加熱温度の管理で決まります。
最初は中火で加熱し、沸騰直前で弱火に切り替えるのが基本です。強火で一気に加熱すると、葛粉が均一に加熱されず、透明感が損なわれます。また、焦げ付きの原因にもなるため、火加減には細心の注意を払いましょう。
透明になるまでの時間は、葛粉の量や火力によって異なりますが、一般的には10〜15分程度です。透明感が出て、艶やかになったら火を止めるタイミングです。
冷却方法で食感が変わる
加熱後の冷却方法も、葛餅の品質を左右します。
型に流し込んだら、型ごと氷水につけて急速に冷やすのがおすすめです。ゆっくり冷やすと、表面が白っぽくなってしまうことがあります。急速冷却により、透明感を保ちながら、ぷるんとした食感を実現できます。
冷蔵庫で冷やす場合は、型のまま冷やし、完全に固まってから切り分けます。切り分ける際は、包丁を水で濡らしながら切ると、きれいに仕上がります。

きな粉と黒蜜で仕上げる伝統の味
葛餅の美味しさを引き立てるのが、きな粉と黒蜜です。
きな粉は、大豆を焙煎して粉にしたもので、香ばしい風味が葛餅の淡白な味わいを引き立てます。美濃与では、国産大豆を自社焙煎し、粒度や焙煎度を調整することで、用途に合わせた品質のきな粉を提供しています。焙煎度が高いほど香ばしさが増し、葛餅との相性も良くなります。
黒蜜は、黒砂糖を煮溶かして作る甘いシロップです。黒砂糖と水を鍋に入れて煮立たせ、裏ごしして滑らかにします。はちみつを加えると、コクと深みが増します。冷ました黒蜜を葛餅にかけ、きな粉をまぶせば、伝統的な葛餅の完成です。
きな粉と黒蜜のバランスは、お客様の好みに合わせて調整できます。きな粉を多めにすると香ばしさが際立ち、黒蜜を多めにすると甘さが引き立ちます。
プロが実践する失敗しないコツ
よくある失敗とその対策
葛餅作りでよくある失敗は、ダマができることです。
これは、葛粉と水を十分に混ぜていないことが原因です。加熱前に葛粉をしっかり溶かし、加熱中も絶えず混ぜ続けることで防げます。もしダマができてしまったら、網じゃくしで濾してから型に流し込みましょう。
もう一つの失敗は、透明感が出ないことです。これは、加熱が不十分だったり、火力が強すぎたりすることが原因です。中火でゆっくりと加熱し、透明になるまでしっかりと練り上げることが大切です。
保存方法と賞味期限
葛餅は作りたてが最も美味しいですが、保存も可能です。
冷蔵保存する場合は、お皿に並べてラップをかけ、1日以内に食べるのがおすすめです。水につけて保存する方法もありますが、食感が悪くなるため避けた方が良いでしょう。冷凍保存する場合は、くっつかないように配置してラップをかけ、凍ったら袋にまとめます。1ヶ月ほど保存できますが、解凍時は電子レンジで軽く温めるか、茹でて戻すと、元の食感に近づきます。

まとめ:美濃与の原料で作る本格葛餅
葛餅作りは、本葛粉の選び方から始まります。
純度の高い本葛粉を使い、水との混ぜ方、加熱と練りのタイミング、温度管理を丁寧に行うことで、なめらかでぷるんとした食感の葛餅が完成します。きな粉と黒蜜で仕上げれば、夏の涼菓子として多くのお客様に喜ばれる一品になるでしょう。
美濃与では、創業120年の歴史と信頼をもとに、和菓子原材料を幅広く取り扱っています。本葛粉をはじめ、国産大豆を自社焙煎したきな粉、葛餅を手軽に製造できるミックス粉「友シリーズ」など、プロの和菓子作りを支える高品質な原料を提供しています。全国展開メーカーにも応える品揃えと安定供給、京都老舗和菓子店で採用され続ける実績、自社工場による安全・高品質な一貫体制が、美濃与の強みです。
夏の定番商品として、お客様に愛される葛餅作りに、ぜひ美濃与の原料をお役立てください。詳細は美濃与の公式サイトでご確認いただけます。ご相談から納品、アフターサポートまで、一貫した体制で安心してお取引いただけます。
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