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和菓子の色素はどう表示する?合成と天然で書き方が違う

2026年8月29日

素材・配合原料・色素で表示のされ方が変わることを示した図
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和菓子は色で売れる商品です。桜の花紅、練切の草色、羊羹の小豆色。ただし色を付けた瞬間、原材料表示の書き方が決まります。

着色料は「用途名を併記する」区分です。物質名だけを書いて済ませることはできません。何を使ったかで、表示欄に出る文字が変わります。

素材・配合原料・色素で表示のされ方が変わることを示した図
同じ緑でも、裏面に出る文字が違う

着色料は用途名を併記する8区分のひとつ

消費者庁の「食品表示基準について」別添 添加物には、用途名併記を要するものの一覧が置かれています。そこに挙げられている区分は、甘味料・着色料・保存料・増粘剤(安定剤・ゲル化剤・糊料)・酸化防止剤・発色剤・漂白剤・防かび剤(防ばい剤)です。

膨張剤や酸味料のように区分名だけで書ける一括名とは扱いが違います。この違いは重曹とベーキングパウダーの記事で整理しています。

着色料に当たる場合、表示は用途名(物質名)という形になります。


タール色素は号数まで表示欄に出る

同じ資料の着色料の例示のうち、タール色素として挙がっているのは次の顔ぶれです。食用赤色2号・3号・40号・102号・104号・105号・106号、食用黄色4号・5号、食用緑色3号、食用青色1号・2号です。このうち赤色2号・3号・40号、黄色4号・5号、緑色3号、青色1号・2号には「及びそのアルミニウムレーキ」が併記されています。

美濃与で扱っている粉末色素には、赤色3号(本紅)、黄色4号、青色1号(水色)といった号数を持つものがあります。これらを使うと、原材料表示に号数がそのまま出ます。

使うもの 表示のされ方
食用赤色3号 着色料(赤3)のように用途名と物質名を併記する
食用黄色4号 着色料(黄4)
食用青色1号 着色料(青1)

号数が並ぶと、読む人によっては強い印象を持ちます。色を決めるときは、その色がパッケージ裏面にどう出るかまで見てから決めてください。試作で色を合わせてから表示欄を見て作り直す、という順序になりがちです。

アルミニウムレーキという形もある

例示には「及びそのアルミニウムレーキ」という書き方が出てきます。同じ色素でも水に溶ける形と、レーキ化して水に溶けにくくした形があり、どちらも用途名併記の対象です。ただし全色に付いているわけではなく、赤色102号・104号・105号・106号には併記がありません。使う色によって形の選択肢が変わります。

生地に練り込むのか、表面に置くのかで適した形が変わります。使いたい工程を伝えたうえで選んでください。

原料の規格や製造工程をまとめた資料をご用意しています。選定の判断材料としてお使いください。

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素材由来のものは、そもそも着色料でない場合がある

ここが設計の分かれ目です。

色を付ける方法は色素だけではありません。素材そのものの色を使うという道があります。抹茶の緑、小豆の色。これらは食品として原材料に書かれるので、着色料の欄に出ません。

ここで気をつけたいのが竹炭です。素材の名前で呼ばれるので食品側に見えますが、美濃与が扱っている竹炭末は商品分類が着色料で、商品ページも食品用色素と説明し、食品安全基準に適合した原料を使用しているとしています。素材名で呼ばれるかどうかは、表示区分の判断材料になりません。購入している品がどちらの扱いなのかは、規格書で確認してください。

ただし同じ素材でも、着色の目的で使えば着色料になりうるという点に注意が要ります。着色料の例示にも、銅クロロフィル(植物のクロロフィルをもとにしたもの)やリボフラビン(ビタミンB2)のように、食品にもある成分が並んでいます。由来が天然かどうかではなく、何のために入れたかで区分が決まるという構造は、クエン酸の記事で扱った考え方と同じです。

抹茶で緑を出すか、色素で出すか

緑は特に選択肢が多い色です。抹茶、クロレラを配合した抹茶、草青色の色素、挽茶色の色素。それぞれ表示が変わります。

抹茶そのものなら原材料に「抹茶」。クロレラを配合した原料なら、そこに含まれるものが表示に出ます。色素なら「着色料(◯◯)」。同じ緑でも、裏面の文字がまったく違います。

抹茶の色をどう保つかは抹茶の緑が保てない?で扱っています。色が持たないから色素に頼る、という判断をする前に、分散や加熱条件を見直す余地があります。


粉体に混ぜるか、水分に溶かすか

美濃与では色素を粉末と練(液体・煉)の2形態で扱っています。挽茶色のように、両方の形態があるものもあります。

形態 扱っている色 向く場面
Powder 本紅(赤3)/黄色(黄4)/水色(青1)/花紅/挽茶色/草青色/小豆色/チョコレート色/竹炭末 粉体に混ぜる。水分の少ない生地。計量が細かく効く
練・液体 練紅/練花紅/練黄/練草/練水(液体青色)/練挽茶 水分のある生地やクリームに溶かす。ダマになりにくい

粉末の色素を水分の少ない生地に直接振ると、溶けきらずに点が残ることがあります。色ムラが出たときは、色素の量ではなく形態と分散を先に見てください。抹茶と同じで、退色に見えて実は混ざっていない、という事故が起きます。

竹炭末のように色の名前がないものもある

粉末のなかには竹炭末のように、色名ではなく素材名で扱われるものがあります。名前は素材ですが、美濃与の商品ページでは商品分類が着色料で、本文も食品用色素と説明しています。黒を出したいときの選択肢ですが、原材料欄ではなく着色料として出る前提で設計してください。

採用にあたっては、その原料の規格書で表示区分を確認してください。「色素」という棚に並んでいることと、表示上で着色料に当たることは別の話です。


耐熱性と耐光性は個別に確認する

実務でよく聞かれるのが、焼いても色が飛ばないか、店頭で退色しないか、という点です。

これは色素ごとに違い、公開されている一般論では答えられません。同じ赤でも物質が違えば挙動が違います。焼成温度、pH、光の当たり方、包材の遮光性のどれもが効きます。

使いたい工程と陳列条件をお聞かせいただければ、規格書とあわせてご案内します。「色素なら退色しない」という前提で設計しないでください。試作は本番と同じ加熱条件と、同じ包材で行ってください。


色を決める前に確認しておく項目

確認すること なぜ見るか
裏面に何と出るか 着色料は用途名併記。号数を持つものは号数まで表示欄に出る
素材で出せないか 抹茶・小豆など食品そのものの色なら着色料の欄に出ない。竹炭末は着色料として扱われる
使用目的 天然由来でも、着色の目的で使えば着色料になりうる
粉末か練か 生地の水分で選ぶ。色ムラは量ではなく分散の問題のことがある
加熱条件 耐熱性は色素ごとに違う。本番と同じ条件で試作する
陳列と包材 退色は光の当たり方と遮光性で変わる。店頭の条件で見る
商品の訴求 号数が並ぶ表示と、素材の名前が並ぶ表示では商品の見え方が変わる

Frequently asked questions

「着色料」とだけ書けますか

書けません。着色料は用途名を併記する区分なので、用途名と物質名の両方を示す形になります。膨張剤や酸味料のように区分名だけで書ける一括名とは扱いが違います。ただし物質名や簡略名に「色」の文字が含まれている場合は、用途名「着色料」を省略できます。「赤色3号」とだけ書く形が認められるのはこのためです。

物質名に「色」が入っていれば用途名は省略できる

ひとつ例外があります。物質名や簡略名に「色」の文字が含まれている場合、用途名の「着色料」は省略できます。「着色料(赤色3号)」と書いても、「赤色3号」とだけ書いても構いません。

逆に言うと、「色」の字を含まない物質名を使う場合は用途名が要ります。どちらの形になるかは使う色素の物質名で決まるので、規格書の表示例で確認してください。

天然色素なら表示は軽くなりますか

由来では決まりません。着色料の例示には、銅クロロフィルやリボフラビンのように食品にもある成分が並んでいます。何のために入れたかで区分が決まるので、着色の目的で使えば着色料に当たります。

抹茶と色素、どちらで緑を出すべきですか

裏面に何を書きたいかで決まります。抹茶そのものなら原材料に「抹茶」と出て、色素なら「着色料(◯◯)」と出ます。色が持たないという理由で色素に切り替える前に、分散や加熱条件に改善の余地がないか見てください。

粉末と練はどう使い分けますか

生地の水分で選んでください。水分のある生地やクリームには練、粉体に混ぜるなら粉末が扱いやすくなります。色ムラが出ているときは、色素の量ではなく形態と混ぜ方を先に疑ってください。

焼いても色は残りますか

色素ごとに違うため、一律にはお答えできません。焼成温度、pH、光の当たり方、包材の遮光性のどれもが効きます。使いたい工程と陳列条件を教えていただければ、規格書とあわせてご案内します。


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色は試作で合わせてから表示欄を見て、作り直しになることが多い項目です。どんな色をどこに出したいかと、パッケージ裏面をどう見せたいかを一緒に教えてください。素材で出すか色素で出すかの判断からご相談いただけます。

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