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米粉なら「グルテンフリー」と書ける?表示の線引き

2026年8月29日

ノングルテン表示に必要な条件を4段階で示した図
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小麦を使わない菓子を作ると、次に出てくるのが表示の相談です。

原料が米なのだから「グルテンフリー」と書けるはずだ、という発想は自然に見えます。ただし「グルテンを含まないこと」と「そう表示できること」は別の話です。ここを取り違えると、刷ったパッケージが使えなくなります。

ノングルテン表示に必要な条件を4段階で示した図
「含まない」と「そう書ける」は別

玄米粉は外皮と胚芽を含んだまま挽いてある

まず原料の性格から。

美濃与の玄米粉は国産玄米を原料に、外皮や胚芽を含んだ状態で製粉した玄米由来の粉原料です。白米粉に比べて穀物由来の香ばしさとコクがあり、玄米特有の風味が感じられますとされています。

白米粉との違いを問うFAQにも外皮や胚芽を含むため、香ばしさとコクがあり、風味がより強い点が特長ですと答えています。

つまり味の主張がある粉です。上新粉や白玉粉のように素材の色や風味を邪魔しない設計とは逆で、玄米粉を入れると玄米の風味が前に出ます。これを個性として使うか、他の素材を消してしまうと見るかで採否が分かれます。

焙煎はしていない

商品ページには焙煎を行わず、玄米そのものの特性を活かしているため、用途に応じた加工や味付けがしやすいという記載があります。

香ばしさは玄米の外皮と胚芽に由来するもので、焙煎で作ったものではありません。もっと香ばしさが欲しい場合は、使う側で焼成や焙煎の工程を通すことになります。この考え方は業務用のごまは焙煎されていない?で扱った胡麻と同じです。

粒度は均一で水にも油にもなじむ

粒度は均一で扱いやすく、水や油となじみやすいため、生地づくりや配合工程でも安定した仕上がりが得られますとされています。

用途には焼き菓子、パン、クッキー、ケーキのほか、米粉麺、団子、皮類、天ぷら衣や和え衣が挙げられています。菓子だけでなく衣にも回せるということです。荷姿は25kgです。

原料の規格や製造工程をまとめた資料をご用意しています。選定の判断材料としてお使いください。

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「小麦グルテンを含まない」は原料の話

ここから表示の話です。

玄米粉の商品ページは、グルテンの有無を問うFAQに米由来のため、小麦グルテンは含まれていませんと答えています。原料としては、そのとおりです。

問題は、この事実をパッケージにどう書くかです。原料に含まれていないことと、「ノングルテン」と名乗れることの間には、いくつも条件が挟まっています。

そもそも「グルテンフリー」という表示区分はない

先に用語を整理しておきます。ガイドラインが定めているのは「ノングルテン(Non-Gluten)」という言葉だけです。「グルテンフリー」はこのガイドラインにも食品表示基準にも定義がありません。

つまり、以下に出てくる1ppmや第三者機関の条件は、「ノングルテン」と書きたい場合の物差しです。「グルテンフリー」と書けばこの条件が課される、という関係ではありません。定義のない言葉を使うほうが、かえって何を根拠に名乗っているのかを説明しにくくなります。どちらの言葉を使うのかを先に決めてください。


「ノングルテン」と書くには検査と第三者の受検が要る

農林水産省が公表した「米粉製品の普及のための表示に関するガイドライン」に、条件が具体的に書かれています。

ガイドラインが適用されるのは、グルテンの検査方法によりグルテン含有量のサンプル検査を行った結果、当該グルテン含有量が1ppm以下の米粉と、その米粉を主たる原料として使用した製品であって、当該米粉以外の米粉、グルテン及び食品表示法により表示が義務付けられている範囲の「小麦」を含まない加工製品です。

そのうえで表示の要件が定められています。

要件 ガイドラインの記載
数値の基準 グルテン含有量が1ppm以下であること
検査 サンプル検査を行うこと。検査方法は消費者庁通知の別添「アレルゲンを含む食品の検査方法」の定量検査法を準用する
第三者 表示を行う米粉製造業者および米粉加工製品の製造業者以外の第三者機関の検査を受けること
併記 「ノングルテン(Non-Gluten)」の用語を表示する際は、グルテン含有量が1ppm以下の製品である旨を付記する
記録
(米粉製造業者側)
検査を受検した記録その他関係書類を整理すること。これは1ppm以下の米粉を製造する側に向けた規定で、加工製品の製造業者の宿題ではありません
工程管理
(ノングルテン米粉製品の製造業者=菓子側にもかかる)
製造工程におけるグルテンおよび小麦の混入を防止するため必要な検査を実施し、記録を整理すること

自社で測って自社で名乗る、という形は想定されていません。ここが最も見落とされやすい点です。

加工製品の書き方は米粉そのものとは違う

菓子メーカーが作るのは米粉そのものではなく、それを使った加工製品です。この場合の表示のしかたも分けて書かれています。

米粉そのものは「ノングルテン(Non-Gluten)」の用語を表示するものとされていますが、加工製品については、原材料としてグルテンおよび小麦を含んでおらず、ノングルテン(Non-Gluten)の米粉を使用している旨の表示をするものとするとされています。

つまり菓子の側は「この菓子はノングルテンです」ではなく、ノングルテンの米粉を使っている、という書き方になります。主語が違います。

使う粉が条件を満たしているかは、こちらでは決められない

この書き方をする以上、仕入れる米粉そのものが条件を満たしていなければ成立しません。菓子側でどれだけ管理しても、粉が1ppm以下の検査を受けていなければ「ノングルテンの米粉を使用」とは書けません。

美濃与の玄米粉についても同じです。この表示を前提に採用を検討されるのであれば、検査の有無を含めて事前にご確認ください。表示の設計を先に固めてから粉を探すと、選択肢が一気に狭まります。順番を逆にしてください。

ガイドラインは自主的な取組を促すもの

位置づけも確認しておきます。ガイドラインは米粉製造業者及び米粉加工製品の製造業者によるグルテンを含まない製品の表示の自主的な取組を促すためのものとされています。

法令で義務づけられた表示ではありません。ただし「ノングルテン」という言葉を使うなら、この条件を満たしたうえで使うという共通の物差しとして作られています。ガイドラインは製造業者に対し、優良誤認防止の観点から必要な注意喚起表示に努めるものとする、としています。書かれているのは注意喚起表示についての努力規定で、条件を満たさずに名乗れば直ちに優良誤認になる、と定めたものではありません。ただし共通の物差しとして公表されている以上、条件を満たさないまま同じ言葉を使えば、取引先から根拠を問われます。


ラインを共用していれば原料の話では済まない

もうひとつ、菓子メーカー側で必ず出てくる論点があります。

ガイドラインはノングルテン米粉製品の製造業者に対し、製造工程におけるグルテン及び小麦の混入を防止するため必要な検査を実施し、当該検査を実施した記録その他関係書類を整理すること等、必要な対応を行うこととするとしています。

小麦を使う商品と同じラインで作っているなら、原料が米であることは出発点にすぎません。粉体は舞います。同じミキサー、同じふるい、同じ充填機を通すなら、そこをどう管理するかが問われます。

この考え方は義務表示のアレルゲンでも同じで、そば粉を1品足したときの製造ラインと構造は変わりません。表示を先に決めて、あとから工程を合わせようとすると行き詰まります。


書ける表現と書けない表現

やりたいこと 必要な条件
原材料表示に「玄米粉」と書く 条件なし。使っていればそう書く
「小麦不使用」と書く 小麦を使っていないこと。ラインの共用があるなら注意喚起の要否を検討する
「ノングルテンの米粉を使用」と書く 使う米粉が1ppm以下で、第三者機関の検査を受けたものであること
「ノングルテン(1ppm以下)」と製品に書く この書き方は米粉そのものに用意されたもので、加工製品には想定されていません。菓子の側はひとつ上の行の書き方になります

下に行くほど、原料の選定だけでは足りなくなります。どの表現を使いたいかを先に決めてから、そこに必要な条件を揃えてください。順序が逆になると、パッケージを刷り直すことになります。


発注前に確認しておく項目

確認すること なぜ見るか
パッケージにどう書くか 「小麦不使用」までか「ノングルテン」まで踏み込むかで、必要な条件が変わる
検査の有無 ノングルテンを名乗るならグルテン含有量の検査が要る。誰が受検したかも問われる
製造ラインの共用 小麦を扱うラインと共用しているなら、原料が米でも管理の話になる
玄米の風味 外皮と胚芽を含むため香ばしさとコクが強い。他の素材を消さないか試作で見る
白米粉との使い分け 風味を出したいのか、邪魔したくないのか。狙いが逆なら選ぶ粉も逆になる
荷姿と使用ペース 25kg。粉は吸湿するので開封後の置き場所も含めて見る
用途の広さ 菓子だけでなく麺や衣にも回せる。他商品と共用できるか

Frequently asked questions

米粉を使えば「グルテンフリー」と書けますか

原料に小麦グルテンが含まれていないことと、そう表示できることは別です。農林水産省のガイドラインでは「ノングルテン」の表示にグルテン含有量1ppm以下の検査と、製造業者以外の第三者機関の検査を受けることが求められています。まずどの表現を使いたいかを決めてください。

自社で検査すれば足りますか

ガイドラインは、表示を行う米粉製造業者および米粉加工製品の製造業者以外の第三者機関の検査を受けることとしています。自社で測って自社で名乗る形は想定されていません。機関名までは指定されていないので、どこに依頼するかは検査項目とあわせて確認が要ります。

菓子のパッケージにはどう書くのですか

米粉そのものと加工製品では書き方が分かれます。加工製品については、原材料としてグルテンおよび小麦を含んでおらず、ノングルテンの米粉を使用している旨を表示する、とされています。「この菓子はノングルテンです」ではなく、そういう米粉を使っている、という書き方です。

小麦を扱うラインで作っても大丈夫ですか

原料が米であることは出発点にすぎません。ガイドラインは製造工程におけるグルテンおよび小麦の混入を防止するため必要な検査を実施し、記録を整理することを求めています。ラインを共用しているなら、そこの管理をどうするかが先に来ます。

玄米粉と白米粉はどう使い分けますか

狙いが逆です。玄米粉は外皮と胚芽を含むため香ばしさとコクが強く、玄米の風味が前に出ます。素材の色や風味を邪魔したくない商品では白米系の粉が向きます。玄米の風味を個性として使う設計かどうかで決めてください。


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Please feel free to consult us about commercial procurement and sample requests

小麦を使わない菓子の設計では、原料より先に表示が決まっていることがあります。パッケージにどこまで書きたいかを教えていただければ、そこから逆算して必要な条件をご相談できます。玄米の風味が商品に合うかどうかは、試作でご確認いただくのが早い部分です。

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