葛粉の種類と違いを徹底比較|本葛・加工葛の見分け方と選び方

2026年3月10日

目次

葛粉の種類と違いを徹底比較|本葛・加工葛の見分け方と選び方

葛粉の種類と違いを知っていますか?

和菓子作りに欠かせない葛粉。透明感のある美しい仕上がりと、独特のもっちりとした食感が魅力です。

しかし、スーパーに並ぶ葛粉のパッケージを見ると、価格が数百円から数千円まで幅広く、どれを選べばいいのか迷ってしまいませんか。実は、葛粉には「本葛」と「加工葛」という大きな違いがあり、原料や製法、用途が全く異なります。

本記事では、葛粉の種類を本葛、加工葛、葛澱粉の観点から徹底比較し、原料、製法、価格、食感の違い、用途別の最適な選び方まで詳しく解説します。

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本葛とは?葛根100%の最高級品

本葛は、葛の根から採取したでんぷん100%で作られる最高級の葛粉です。

葛はマメ科のつる草で、夏の間に光合成で養分を蓄え、秋から冬にかけて根にでんぷんを貯めます。冬の山で掘り出された葛の根は、粉砕・水晒し・沈殿という伝統的な「吉野晒」の製法で精製されます。この製法では、撹拌・沈殿・水の入れ替えを10日から2週間繰り返し、あくや苦みを丁寧に取り除きます。

葛根掘り 冬の山 葛粉原料

本葛の特徴は、透明感のある美しい仕上がりと、なめらかで上品な食感です。他の澱粉と比べて粘りは弱いものの、圧倒的な滑らかさがあり、扱いやすいという利点があります。葛餅や葛きりなどの高級和菓子に使用され、独特の透明度と弾力性を生み出します。

ただし、国産の本葛粉は葛の収穫量が少なく、精製にも手間がかかるため非常に高価です。そのため、外国産の葛根から精製した粗製葛を使用する場合もあります。

出典中井春風堂「生涯葛道『葛塾』6種類の澱粉比較」より作成


加工葛とは?他の澱粉を混ぜた葛粉

加工葛は、葛澱粉に他の澱粉を混ぜた製品です。

戦後、九州ではさつま芋のでんぷんを葛粉として販売する業者が現れました。山野に自生する葛の根を掘り集めてもわずか1割しかでんぷんが取れない葛に対し、さつま芋は栽培ができ、でんぷん含量も高いため、安価で大量に作ることができたからです。

甘藷澱粉 加工葛 製造工程

現在、一般的に「葛粉」として販売されているものの多くは、葛澱粉50%に甘藷澱粉50%を混ぜた「吉野葛」や、じゃがいも、とうもろこしのでんぷんを混ぜたものです。これらは本葛より弾力が強く出る傾向があります。

加工葛は本葛に比べて価格が安く、日常的な和菓子作りに適しています。ただし、透明感や滑らかさは本葛に劣ります。購入時には原材料表示を確認し、葛澱粉の含有率をチェックすることが重要です。

出典天極堂「吉野本葛の原料となる葛の根の原料原産地について」より作成


本葛と加工葛の見分け方

見分けるポイントは3つあります。

1. 原材料表示の確認
本葛は「葛澱粉100%」または「吉野本葛」と表示されています。加工葛は「葛粉」と表記され、原材料に「甘藷澱粉」「馬鈴薯澱粉」などが含まれます。

2. 価格の違い
本葛は150gで1,100円以上が一般的です。数百円で購入できるものは、ほぼ確実に加工葛です。

本葛 加工葛 比較 見分け方

3. 仕上がりの透明感
本葛で作った葛餅は黄色っぽく透明感があります。加工葛は無色透明に近いか、やや白っぽく仕上がります。馬鈴薯澱粉が多く含まれるものは、特に透明度が高くなります。

また、時間の経過による変化も見分けるポイントです。本葛や吉野葛、甘藷澱粉は60分後には白くなりますが、馬鈴薯澱粉や片栗粉は少し白くなる程度で、一晩冷蔵庫で保管すると真っ白になります。

出典中井春風堂「生涯葛道『葛塾』6種類の澱粉比較」より作成


用途別の葛粉の選び方

どう使い分けるべきでしょうか?

高級和菓子・おもてなし用
本葛(吉野本葛)を選びましょう。透明感のある美しい仕上がりと、なめらかで上品な食感が特徴です。葛餅、葛きり、葛饅頭など、葛本来の風味を楽しむ和菓子に最適です。

日常的な和菓子作り
加工葛(吉野葛)が適しています。本葛より弾力が出やすく、価格も手頃です。わらび餅風の菓子や水まんじゅうなど、家庭で気軽に作る和菓子に向いています。

葛餅 和菓子作り 葛粉使い分け

料理のとろみ付け
片栗粉や馬鈴薯澱粉で十分です。葛粉は高価なため、料理用には代用品を使うのが一般的です。ただし、葛湯など葛の風味を活かしたい場合は本葛を使いましょう。

簡便性重視
美濃与の「葛菓子の友」「新葛もちの友」などのオリジナル商品もあります。これらは和菓子製造を簡便化し、安定した品質を実現する製品です。

選ぶ際は、作りたい和菓子の種類、予算、求める品質のバランスを考えることが大切です。


まとめ:葛粉選びは用途と品質のバランスで

葛粉の種類と違いについて解説してきました。

本葛は葛根100%の最高級品で、透明感のある美しい仕上がりと上品な食感が特徴です。一方、加工葛は他の澱粉を混ぜた製品で、価格が手頃で日常使いに適しています。見分け方は原材料表示、価格、仕上がりの透明感の3つのポイントで判断できます。

用途に応じて使い分けることが、美味しい和菓子作りの秘訣です。高級和菓子やおもてなしには本葛を、日常的な和菓子作りには加工葛を選びましょう。美濃与では、本葛、随一本葛など最高級品から、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉まで、幅広い澱粉類を取り揃えています。

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