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業務用のごまは焙煎されていない?洗い・むき・練りの違い

2026年8月28日

ごま4銘柄を焙煎の有無で2群に分けた図
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ごまを仕入れたのに、そのままでは使えなかった。この行き違いは実際に起きます。

業務用のごまは、焙煎する前の状態で流通することがあります。家庭で買う「いりごま」とは前提が違います。

ごま4銘柄を焙煎の有無で2群に分けた図
業務用のごまは「焙煎前」で届くことがある

4銘柄のうち3つは焙煎していない

美濃与で扱っているごまは4銘柄です。まず焙煎の有無で並べます。

Brand 焙煎 皮 形状 Specification
白胡麻(洗い) していない あり 粒 1kg
黒胡麻(洗い) していない あり 粒 1kg
Hulled Sesame していない なし 粒 20kg
練り胡麻(白・黒) 焙煎済み — Pastes 300g・8kg

白胡麻と黒胡麻は、焙煎の有無を問うFAQに焙煎はしていません。洗い加工のみを行った胡麻だと答えています。むき胡麻も焙煎はしていません。外皮を除去した生のむき胡麻ですとしています。

白胡麻と黒胡麻は、そのまま使えるかというFAQに焙煎やすり加工を行ってからの使用をおすすめしますと答えています。むき胡麻にはこの設問がありませんが、焙煎はしていません。外皮を除去した生のむき胡麻ですと明記されており、用途欄も「焙煎後にすり胡麻や練り胡麻へ加工できます」という書き方です。


「洗い」は焙煎ではなく洗浄のこと

取り違えが起きるのはこの呼び方です。

白胡麻(洗い)の商品ページは、原料となる白胡麻を洗浄処理し夾雑物を取り除いた状態で仕上げた胡麻原料で、洗い加工により砂や不純物が除去され、製造工程での扱いやすさが向上していると説明しています。

つまり「洗い」とは、砂などを落とす下処理を済ませてあるという意味です。風味を作る工程はまだ行われていません。

焙煎を自社で持つと何が変わるか

焙煎前の状態で仕入れることは、不便なだけではありません。香りの設計を自社で決められるということです。

黒胡麻の商品ページは、和え物やたれ、調味加工品の原料として焙煎度合いで風味の調整がしやすいとしています。白胡麻も用途に応じた焙煎・粉砕がしやすいという書き方です。浅く煎れば穏やかに、深く煎れば香ばしく。同じ原料から複数の商品を作り分けることができます。

ただし、そのぶん条件を管理する側に回ります。決めておきたいのは次の項目です。

  • 焙煎の温度と時間。商品ごとに変えるなら、その組み合わせを記録として残す
  • 焙煎後にどれだけ置いてから使うか。香りは時間とともに変わる
  • ロットごとの仕上がりをどう判定するか。色で見るか、香りで見るか

この3つが決まっていない状態で焙煎前の原料に切り替えると、仕上がりが日によって変わります。設備と手順が整うまでは、焙煎済みの練り胡麻を使うほうが安定します。

原料の規格や製造工程をまとめた資料をご用意しています。選定の判断材料としてお使いください。

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皮を取ると雑味と色が変わる

2つ目の分かれ目が外皮です。

むき胡麻は胡麻の外皮を取り除き、胚乳部分のみを使用した原料で、皮由来の渋みや雑味が少なく、胡麻本来のまろやかなコクとやさしい風味が特長とされています。白胡麻との違いを問うFAQでも、白胡麻は皮付きですが、むき胡麻は皮を除いているため、雑味が少なくなめらかな風味になりますと答えています。

味だけでなく見た目も変わります。むき胡麻は色味は淡く、製品の仕上がりを明るく整えやすいとされ、和菓子の用途でも色味が淡く、上品な仕上がりにまとめやすいと説明されています。

皮の雑味が欲しい商品もある

ここで気をつけたいのは、皮を取ったほうが良いとは限らないという点です。

皮由来の渋みは、餡や糖度の高い菓子では味の輪郭になります。むき胡麻に替えると雑味は消えますが、同時に輪郭も消えます。白い練り切りに合わせるならむき胡麻、しっかりした胡麻餡なら皮付き、という具合に、狙う仕上がりで選び分けてください。

黒胡麻は逆に、色と風味の濃さが持ち味です。黒胡麻ならではの濃い色味とコクを活かした仕上がりになり、和菓子では風味に深みを与え、見た目のアクセントにもなるとされています。

荷姿が銘柄で大きく違う

実務で効いてくるのが規格です。白胡麻と黒胡麻は1kg、むき胡麻は20kgです。

むき胡麻に切り替えるということは、1袋の大きさが桁で変わるということです。使用量が少ない段階で20kgを持つと、焙煎前の原料を長く置くことになります。年間の使用量から逆算して、荷姿が運用に合うかを先に確認してください。


練り胡麻は胡麻だけでできている

焙煎の工程を持たない、あるいは持ちたくない場合の答えが練り胡麻です。

商品ページは、胡麻を焙煎後に丁寧にすり上げてペースト状に仕上げた加工原料で、白胡麻はやさしい甘みとまろやかなコク、黒胡麻は濃厚で深みのある風味が特長だとしています。滑らかなペースト状のため、他原料と混ざりやすく、配合時のムラが出にくいという説明もあります。

砂糖も油も入っていない

購買が必ず確認する点に、商品ページが直接答えています。砂糖や油の有無を問うFAQに入っていません。胡麻のみを原料としていますと記載があります。

これは表示の設計に効きます。原材料が胡麻だけなら、自社商品の原材料表示に増える項目は「ごま」の1つで済みます。砂糖や植物油脂を含む練り胡麻を使っていた場合、切り替えると表示欄が短くなります。

糖の設計も自社に残ります。甘さを自分で決めたい商品では、原料側で甘味が付いていないほうが動かしやすくなります。

開封後は冷蔵

保管条件は他の3銘柄と違います。粒の胡麻3銘柄は冷暗所ですが、練り胡麻は直射日光を避け、冷暗所で保管。開封後は冷蔵保管し、早めに使用してくださいとされています。

8kgの規格を開封後に冷蔵で回せるかは、事前に確認しておきたいところです。使用量が少ない現場向けに300gの規格もあります。


ごまはアレルゲンの推奨表示に入る

品質保証の側で押さえておく点です。

消費者庁の「食品表示基準について」別添 アレルゲンを含む食品に関する表示によれば、ごまは特定原材料に準ずるもの20品目に含まれています。同資料は、これらを原材料として含む加工食品については当該食品を原材料として含む旨を可能な限り表示するよう努めることとする、としています。

義務表示ではありませんが、中〜大手の取引では書くことを求められると考えておくほうが安全です。ごまを1品足すと、推奨表示の対象が1つ増えます。

ラインの共用も論点になる

ごまを新しく扱い始めるときは、表示だけでなく製造ラインの話が出てきます。ごまを使わない商品と同じラインで作るなら、コンタミネーションをどう扱うかを決めることになります。

アレルゲン表示の考え方全般は「和菓子原料の規格書と表示の見方|栄養成分・アレルゲン・原材料」で、そばのように義務表示のアレルゲンを扱う場合の考え方はそば粉は黒・中黒・白で何が違う?で整理しています。


使いたい場面から逆算する

やりたいこと 候補 商品ページの根拠
焙煎の工程を持ちたくない 練り胡麻(白・黒) 胡麻を焙煎後にすり上げたペースト
香りを自社で作り分けたい 白胡麻(洗い)/黒胡麻(洗い) 黒胡麻は「焙煎度合いで風味の調整がしやすい」、白胡麻は「用途に応じた焙煎・粉砕がしやすい」
雑味を抑えて上品に仕上げたい Hulled Sesame 皮由来の渋みや雑味が少なくまろやか
仕上がりの色を明るくしたい Hulled Sesame 色味は淡く、仕上がりを明るく整えやすい
色と風味の濃さを出したい 黒胡麻(洗い)/練り胡麻(黒) 濃い色味とコク/濃厚で深みのある風味
原材料表示を短くしたい 練り胡麻 砂糖・油は入っておらず胡麻のみが原料
配合のムラをなくしたい 練り胡麻 他原料と混ざりやすく配合時のムラが出にくい

発注前に確認しておく項目

確認すること なぜ見るか
焙煎設備の有無 4銘柄のうち3つは焙煎前。工程を持てるかで候補が変わる
焙煎条件の記録 温度・時間・寝かせ日数を決めないとロットごとに仕上がりが変わる
皮の要否 雑味を消すと味の輪郭も消える。狙う仕上がりで選ぶ
荷姿と使用量 1kgと20kgで1袋の大きさが桁で変わる。焙煎前の原料を長く置かないか
開封後の保管 練り胡麻だけ開封後は冷蔵。8kgを冷蔵で回せるか
原材料表示 練り胡麻は胡麻のみ。砂糖入りから切り替えると表示が変わる
アレルゲンとライン ごまは推奨表示の対象。共用ラインの扱いも決める

Frequently asked questions

仕入れたごまをそのまま生地に混ぜてもいいですか

白胡麻・黒胡麻・むき胡麻は焙煎していません。白胡麻と黒胡麻の商品ページには、焙煎やすり加工を行ってからの使用をおすすめします、と記載があります。むき胡麻も生の状態です。焙煎の工程がない場合は、焙煎済みの練り胡麻をご検討ください。

むき胡麻と白胡麻はどちらがいいですか

狙う仕上がりで決まります。むき胡麻は皮を除いているため雑味が少なくなめらかで、色味も淡く仕上がります。皮付きの白胡麻は皮由来の風味が残るため、糖度の高い商品では味の輪郭になります。上品にまとめたいか、しっかり主張させたいかで選んでください。

練り胡麻に甘みは付いていますか

付いていません。砂糖や油は入っておらず、胡麻のみを原料としています。甘さは自社で設計する形になります。原材料表示に増えるのも「ごま」の1つだけです。

ごまを使うとアレルゲン表示は増えますか

推奨表示の対象が1つ増えます。ごまは特定原材料に準ずるもの20品目に含まれており、消費者庁の資料は含む旨を可能な限り表示するよう努めることとする、としています。義務ではありませんが、書く前提で設計しておくほうが安全です。

焙煎の条件はどう決めればいいですか

焙煎の温度と時間は、使う菓子で狙う香ばしさと設備に合わせて試作で決めます。美濃与の白胡麻・黒胡麻は洗い胡麻で焙煎していないため、焙煎の工程がある現場向けです。焙煎の工程を持たない場合は練り胡麻が候補になります。


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ごまの選定は、味の好みではなく設備で決まります。焙煎の工程があるなら香りを自分で作り分けられますし、ないなら練り胡麻が候補になります。どちらの現場にも合う形で、銘柄と荷姿をご用意しています。

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