季節・行事菓子

季節資材はいつ押さえる?桜・柏・笹・椿の発注カレンダー

2026年8月27日

桜葉・柏葉・笹・椿・よもぎについて押さえておく時期と使う時期を並べた図
目次

季節資材で起きる事故は、たいてい同じ形をしています。使う直前に足りないと気づいて手配したが、間に合わない。

葉物は工業製品ではありません。摘む時期が決まっていて、漬け込みに数か月かかるものもあります。足りないと気づいた時点では、その年の分はもう作られているということが起こります。産地の作業と行事の時期から、押さえどころを逆算して並べます。

桜葉・柏葉・笹・椿・よもぎについて押さえておく時期と使う時期を並べた図
季節資材は使う時期より前に押さえる
資材 使う時期 押さえておく時期 なぜその時期か
桜葉・桜の花 2〜4月 前年の秋から年内 漬け込みに5〜6か月。年明けからの積み増しは効きにくい
柏葉 5月/地域により6月 3〜4月 山が2つある地域がある。5月末で終わらない
5〜7月 4月まで 端午のほか薬師様・半夏でも動く
椿の葉 秋のうち 商品の規格が「12〜2月頃」。時期が限られる
よもぎ 春・秋 使う商品の仕込み前 冷凍品と乾燥品がある。供給の条件は仕入れ先に確認する

桜葉は前の年に摘まれた葉を使う

いちばん逆算が要るのが桜葉です。松崎町の資料によれば、剪定は毎年1月下旬から2月上旬、摘み取りは5月上旬から8月下旬、漬け込みは約5か月から6か月です。

単純に足すと、5月に摘んだ葉が上がるのが秋、8月下旬に摘んだ葉が上がるのは翌年の初春です。桜餅の最盛期に使う葉は、前の年に摘まれたものということになります。

年が明けてから数量を足そうとしても、その年に漬かった量が上限です。産地の仕込みの様子は桜葉はなぜ大島桜なのか?で詳しく扱っています。


柏と笹は山が一つではない

5月5日だけを見ていると外します。島根のかしわもちを扱った農林水産省の資料は、端午の節句について、従来は5月5日に行われる行事だが地域によっては忙しい田植えの時期と重なるため1か月遅れの6月5日に催されることもある、としています。

さらに、6〜7月にかけて「泥落とし」と呼ばれる田植えの労をねぎらう行事でも振る舞われた、という記述もあります。笹巻きを扱った資料も、田植えの骨休みや田植えが無事終わった後の祝いの日、農家にとって大切な農作業の節目となる半夏などの行事の時にも食されていた、としています。

新潟の笹団子を扱った資料はもう一つ山を示していて、旧暦の4月8日(新暦では5月8日)に薬師様に供えたり、5月5日の端午の節句ではたくさんつくっていた、とされています。

納品先が農村部なら7月まで見る

整理すると、5月5日、5月8日、6月5日、田植え後の半夏と、初夏を通して断続的に動きます。納品先が農村部を抱えている場合、5月末で葉を使い切る計画は成り立ちません。

詳しくは柏葉は3形態で保管条件が逆になる笹はいつ押さえる?で扱っています。


椿は冬しか動かない

見落としやすいのが椿です。美濃与の椿の葉は、規格そのものに「12〜2月頃」と時期が入っています。50枚×60束です。

椿餅は冬から早春の菓子で、使う時期と採れる時期がほぼ重なります。春になってから手配しようとしても、その年はもう終わっています。冬の商品を組むなら、秋のうちに数量を確定させてください。


通年で持てるものと持てないもの

資材は大きく2つに分かれます。

区分 該当する資材 扱い
通年で持てる 乾燥柏葉、塩漬けの桜葉、よもぎ(冷凍・乾燥) 戻す工程が要るが、在庫として置ける
時期が限られる 椿の葉、生の葉物 採れる時期に押さえる。逃すと翌年

主力を前者に置き、後者は使う商品を絞る。この組み方にすると、シーズン中の欠品が減ります。

乾燥品を予備に持つ

柏葉には乾燥品があります。殺菌煮柏を主力にしつつ、乾燥柏葉を少量持っておくと、シーズン中に切れたときの受け皿になります。水戻しの工程が増えるので、手順を先に決めておいてください。

原料の規格や製造工程をまとめた資料をご用意しています。選定の判断材料としてお使いください。

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枚数の数え方を揃えておく

発注のやりとりで事故が起きやすいのがここです。同じ「1パック」でも中身が違います。柏葉は1パック500枚、乾燥柏葉は1束100枚、桜葉と青森の笹は1束50枚、笹グリーンパックは1パック300枚、椿と紫蘇は1束50枚。1単位が50枚から500枚まで10倍の幅があります。

「1つ追加で」というやりとりは危険です。枚数に直して確認してください。品目ごとの規格は和菓子原料の束単位とは?にまとめています。

1個あたりの使用枚数も資材で違う

枚数を出すときは、1個に何枚使うかも見てください。柏餅と桜餅は1個1枚ですが、笹巻きは外側だけで3〜4枚使います。1ケース5,000枚の桜葉なら5,000個分ですが、同じ5,000枚の笹は外側だけで割っても約1,250〜1,660個分です。串と新葉を足すとさらに減ります。


年間の押さえどころ

時期 やること
9〜11月 桜葉の翌春分を確定させる。椿の冬商品の数量を決める
12〜2月 椿を使う商品を回す。桜餅の最盛期に入る
3〜4月 柏・笹の数量を確定。6月・7月に動く地域の分も見込む
5〜7月 柏・笹を回す。切れたら乾燥品で埋める
8月 翌年の見積もりを立てる。産地の摘み取りが終わる時期

この並びは目安です。納品先の地域や商品構成で山の位置が変わるので、自社の実績に合わせて調整してください。


よくある質問

シーズン中に足りなくなったらどうすればよいですか

資材によります。乾燥品があるものは、そちらで埋められる可能性があります。桜葉のように仕込みの期間が長いものは、その年の分が上限なので手当てが難しくなります。年内に数量を確定させておくのが確実です。

翌年分はいつ相談すればよいですか

桜葉なら秋のうちにご相談ください。産地の摘み取りが夏で終わり、漬け込みに5〜6か月かかるためです。柏・笹は春先で間に合いますが、6月以降も動く地域に納めるなら、その分も含めて見積もってください。

使い切れなかった葉はどうすればよいですか

形態によって保管の条件が違います。塩漬けと乾燥では置き方が変わるので、規格書の記載に沿ってください。翌シーズンまで持ち越せるかどうかも含めて、仕入れ先にご確認ください。

複数の資材をまとめて発注できますか

できます。ただし産地が違えば在庫の動き方も違うので、それぞれの押さえどころは別に見てください。

年間の使用量から逆算した相談はできますか

承っています。商品ごとの使用枚数と山の位置を伺えれば、発注の組み方をご提案します。


あわせて読みたい

参考:松崎町「桜葉の栽培」農林水産省「にっぽん伝統食図鑑・かしわもち」同「笹巻き、ちまき」同「うちの郷土料理・笹団子(新潟県)」


業務用の調達・サンプル請求はお気軽にご相談ください

季節資材は、産地の作業と行事の時期という2つのカレンダーで動きます。どちらか一方だけを見て発注すると、押さえる時期を外します。商品構成と納品先の地域を伺えれば、いつまでに何を決めるかをご提案します。

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素材開発や品質管理、OEM事例、製造工程をまとめた資料をご用意しています。必要事項をご入力いただくとダウンロードできます。

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