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柏葉は3形態で保管条件が逆になる|青葉・煮柏・乾燥

2026年8月27日

特選柏青葉・殺菌煮柏・乾燥柏葉の下処理と保管条件を並べた図
目次

柏の葉を仕入れるとき、形態を3つから選ぶことになります。ここで見落とされやすいのが、3つとも保管の条件が違うことです。しかも一部は正反対を向いています。

同じ「冷暗所」でも、乾燥を避けるものと、乾燥した場所に置くものがあります。同じ棚にまとめて置くと、どちらかが傷みます。

特選柏青葉・殺菌煮柏・乾燥柏葉の下処理と保管条件を並べた図
柏の葉は3つの形態で流通する
形態 下処理 保管条件 選ぶ理由
特選柏青葉
500枚×8P
用途に応じて軽く水洗い 直射日光や高温多湿を避け冷暗所 鮮やかな緑色と葉姿の美しさ
殺菌煮柏
500枚×8P
使用前に水で戻す 乾燥を避けた冷暗所 葉の香りが餅に移る
乾燥柏葉
100枚×40束
水またはぬるま湯で戻す 乾燥した冷暗所 長期保存と計画製造

2行目と3行目を見比べてください。片方は乾燥を避け、もう片方は乾燥した場所です。


「戻し」が要らない形態はない

乾燥品だけ手間がかかる、と考えると設計を誤ります。3つとも何らかの下処理が要ります。

美濃与の商品ページの記載を並べると、特選柏青葉は用途に応じて軽く水洗いしてから、殺菌煮柏は使用前に水で戻してから、乾燥柏葉は水またはぬるま湯で戻してから、となっています。

違うのは手間の有無ではなく、工程にかかる時間と、その日の仕込み量に対する読みやすさです。軽く水洗いするだけなら直前でも間に合いますが、水で戻す工程は前倒しが要ります。

手順書に落とす項目

作業者が替わっても同じ状態にするには、次を決めておく必要があります。水温、浸ける時間、1回に戻す枚数、戻したあと何分以内に使うか。ここが決まっていないと、同じ商品でも日によって葉の状態が変わります。

具体的な時間は商品と用途によります。仕入れ先に確認したうえで、自社の手順として固定してください。


3形態は狙いが違う

特選柏青葉は見映えで選ぶ

商品ページは、鮮やかな緑色と葉姿の美しさを重視して選別した柏葉であること、青葉ならではの瑞々しい色合いが特長で和菓子に使用した際の見映えを高めること、を挙げています。葉は形が整っており破れや欠けが出にくい品質を重視している、適度な厚みがあり餅を包みやすい、とも書かれています。

緑が商品の印象を決める菓子ならここです。ショーケースに並べたときの見え方が要件になっている場合、色の選別が入っている意味は大きくなります。

殺菌煮柏は香りで選ぶ

殺菌煮柏の説明は香りに寄っています。柏の葉独特の清々しい香りが餅に移り、節句菓子ならではの風味を演出する、という記述です。

葉を外して食べる商品でも、包んでいる間に香りは移ります。見た目より風味を取りたい設計ならこちらが候補になります。

乾燥柏葉は計画製造で選ぶ

乾燥柏葉の位置づけははっきりしています。商品ページは、乾燥加工により長期保存が可能で必要な分だけ戻して使用できるため、季節行事や計画製造にも対応しやすい仕様、としています。戻した際も葉の風合いが保たれる、とも書かれています。

「必要な分だけ戻す」という点が効きます。殺菌煮柏は開けたら全量を管理下に置くことになりますが、乾燥品は使う分だけ動かせます。年間を通して少量ずつ使う商品や、シーズン中の予備として持つなら、この形態が向きます。


倉庫の割り当てを先に決める

保管条件が3つとも違う以上、置き場所を分ける必要があります。

形態 置き場所の条件 同居させてはいけないもの
特選柏青葉 直射日光と高温多湿を避ける 湿気の出る原料
殺菌煮柏 乾燥させない 乾燥剤を効かせている棚
乾燥柏葉 乾燥した状態を保つ 塩漬け品や水分のある原料

殺菌煮柏と乾燥柏葉を隣に積むのは避けてください。片方は乾かしてはいけないもの、もう片方は乾かしておくものです。

1ケースあたりの体積を見込む

特選柏青葉と殺菌煮柏は500枚×8Pで1ケース4,000枚、乾燥柏葉は100枚×40束で1ケース4,000枚です。合計枚数は同じでも、乾燥品は水分が抜けているぶんかさが違います。棚の割り当てを決めるときは、枚数ではなく現物の寸法で見てください。

単位の数え方は和菓子原料の束単位とは?にまとめています。


受入と規格書で見る項目

中〜大手との取引では、葉物にも規格書が求められます。柏葉で押さえておきたい項目を挙げます。

確認すること なぜ見るか
産地 殺菌煮柏の商品ページは「産地についてはお問い合わせください」としている(他2形態は産地の記載なし)。原料原産地を要件にするなら先に確認する
賞味期限と開封後の扱い 形態で条件が違う。開けたあと何日で使い切るかを決める
残留農薬と微生物 分析表が出るかどうか。取引開始の前提になることがある
異物と虫害 自然素材なので混入の可能性がある。受入検査の基準を決めておく
歩留まり 破れや欠けをどこまで弾くか。必要数に上乗せして発注する
葉のサイズ 包む菓子の寸法に足りるか。自然素材なので個体差がある
添付物の表示 葉を商品に付けて出す場合、表示上どう扱うかを社内で決めておく

商品ページは、葉の色味や大きさについて自然素材のため個体差はあるが色味と形を重視して選別している、使用しやすいサイズを中心に選別されている、としています。個体差があることを前提に、受入の基準を自社で決めておいてください。

原料の規格や製造工程をまとめた資料をご用意しています。選定の判断材料としてお使いください。

📄 資料をダウンロード(無料)


納品先の地域で葉が変わることがある

もうひとつ、商品設計に関わる話です。柏餅だからといって、どこでも柏の葉を使っているわけではありません。

農林水産省の資料は、島根のかしわもちについて、近畿圏以西では柏の木が自生していないため県内ではその代替品としてサルトリイバラの葉で作られたものが定着している、と説明しています。三重県のいばら餅を扱った資料も、西日本では柏の葉があまりとれなかったことから柏餅の葉の代用として使われたともいわれている、としています。

同じ三重県の資料は、サルトリイバラの葉について、丸くて表面がつるつるしているため餅を包むのに適している、とも書いています。単なる間に合わせではなく、包む道具として機能していたということです。

供給の構造が違う

調達の観点で押さえたいのは、この葉が通年では採れないことです。同資料は、サルトリイバラの葉は春から秋のものであり冬には枯れてしまうが最近は冷凍保存も可能である、としています。

塩漬けや乾燥で通年持てる柏の葉とは、そもそも供給の仕方が違います。西日本向けの商品を通年で回すなら、冷凍という前提が入ってきます。

使う枚数も変わります。同資料の作り方には、サルトリイバラの葉が小さい春には2枚で上下に挟み、秋になって大きくなったら葉も2つに折り曲げて挟む、という記述があります。柏餅の1個1枚という計算式がそのままでは使えません。

地域による葉の違いは柏餅の葉っぱは食べる?食べない?でも扱っています。サルトリイバラの葉が必要な商品を検討される場合は、手配の可否を含めてご相談ください。


5月が終わっても注文は続く

島根のかしわもちを扱った資料は、端午の節句について、従来は5月5日に行われる行事だが地域によっては忙しい田植えの時期と重なるため1か月遅れの6月5日に催されることもある、としています。さらに、6〜7月にかけて「泥落とし」と呼ばれる田植えの労をねぎらう行事でも振る舞われた、という記述もあります。

三重県の資料も、5月の節句のほか野上りなどの行事の際に食べられることが多い、としています。野上りは同資料で、田植えや稲刈りなど農作業の終えることを指す、と説明されています。春と秋の両方に節目があるということです。

5月末で葉を使い切る計画を立てていると、6月以降の注文に応えられません。年間の押さえどころは季節資材はいつ押さえる?にまとめています。


よくある質問

乾燥柏葉は青葉の代わりになりますか

包む役目は果たせますが、色の見え方は変わります。特選柏青葉は鮮やかな緑色と葉姿の美しさを重視して選別されているとご案内している商品なので、そこを要件にしている場合はそのまま置き換えると印象が変わります。予備として持つなら、切り替えたときの見え方を先に確かめておいてください。

殺菌煮柏も水で戻す必要がありますか

あります。商品ページでは、乾燥を避けた冷暗所で保管し、使用前は水で戻してからご使用ください、とご案内しています。乾燥品だけ戻しが要る、という理解だと工程が組めません。

3形態を同じ棚に置いても大丈夫ですか

避けてください。殺菌煮柏は乾燥を避けた冷暗所、乾燥柏葉は乾燥した冷暗所と、条件が逆を向いています。同じ場所に置くとどちらかが傷みます。

産地を指定できますか

商品ページでは産地についてはお問い合わせください、とご案内しています。原料原産地を商品の要件にする場合は、その前提でご相談ください。

3形態を比べたいのですが

試作用のご相談を承っています。同じ菓子で包み比べると、色と香りの差が分かりやすくなります。


あわせて読みたい

参考:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑・かしわもち」同「うちの郷土料理・いばら餅(三重県)」


業務用の調達・サンプル請求はお気軽にご相談ください

柏葉は形態が3つあり、それぞれ下処理も置き場所も違います。同じ「柏の葉」として発注すると、届いてから工程を組み直すことになります。倉庫の条件と年間の使用量からのご相談も承っています。

原料の選定でお困りではありませんか

素材開発や品質管理、OEM事例、製造工程をまとめた資料をご用意しています。必要事項をご入力いただくとダウンロードできます。

試作段階のご相談も承っています。京都本社・東京営業所・伏見の大豆焙煎所で対応します。

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