季節・行事菓子

笹はいつ押さえる?ちまき・笹巻きで動く時期と選び方

2026年8月27日

端午の節句・薬師様・月遅れの端午・半夏と、笹の需要が動く時期を並べた年表
目次

笹の葉は、動く時期が読みにくい資材です。端午の節句に向けて動くのは確かですが、その山が一つとは限りません。

農林水産省の資料は、島根県東部について、昔から旧暦の端午の節句(6月5日)に練った米粉をクマザサの葉で巻いて茹でた笹巻きを食べる習慣がある、としています。5月5日ではなく6月5日です。

商品 規格 1ケースの枚数 数え方の注意
青森の笹 50枚×100束 5,000枚 束単位。1束50枚
笹グリーンパック 300枚×10P 3,000枚 パック単位。1パック300枚

同じ笹でも、単位の組み方が違います。「1つ追加で」という言い方をすると、片方は50枚、もう片方は300枚です。

端午の節句・薬師様・月遅れの端午・半夏と、笹の需要が動く時期を並べた年表
笹の需要は初夏を通して断続的に動く

笹は包むだけの資材ではない

笹が選ばれてきた理由が資料に書かれています。新潟の笹団子を扱った農林水産省の資料は、笹には殺菌作用があることから戦国時代の携行保存食とされ、上杉謙信が携帯食にしていたといわれている、と記しています。およそ500年前から新潟の中越・下越地方と福島県会津地方の一部で食べられてきた、という説明です。

同資料は別の箇所でも、笹の葉は防腐効果があることから保存食としても食された、としています。

ただしこれは伝承として語られてきた話で、日持ちの根拠として使えるものではありません。商品の賞味期限は自社で検証して決めることになります。日持ちの手段の整理は保存料と日持ち向上剤の違いにまとめています。

もとは主食だった

新潟の資料には、今ではあんを包んだ和菓子として食べられているが、以前はきんぴらやおかかなど家庭のおかずを入れて主食の役割を担っていたといわれている、という記述もあります。地域によっては、あん入りのものを「女団子」、あん以外のものが入ったものを「あえもん団子」、きんぴら入りもしくは何も入っていないものを「男団子」と呼ぶ、とも書かれています。

中身の自由度が高い菓子だということです。あん以外の展開を考えるときの手がかりになります。


山は5月だけではない

島根の資料は、笹巻きの起源について、3〜6世紀の南北朝時代に中国から端午の節句の供物として伝わったと言われている、と書いています。そのうえで、従来は5月5日に行われる行事だが、地域によっては忙しい田植えの時期と重なるため一か月遅れの6月5日に催されることもある、としています。

これは柏の葉と同じ構造です。柏葉は3形態で保管条件が逆になるでも触れましたが、5月末で使い切る前提の計画を立てると、6月の注文に応えられません。

田植えの節目でも使われる

同資料はさらに、笹巻きが男の子の成長と健康を祈願するだけでなく、田植えの骨休みや田植えが無事終わった後の祝いの日、農家にとって大切な農作業の節目となる半夏などの行事の時にも食されていた、と記しています。

半夏は夏至から11日目にあたる時期です。つまり7月にも動く可能性があるということです。

新潟の資料はさらに別の山を示しています。笹団子は初夏の笹がきれいな時期や春と秋のよもぎの季節に各家庭でつくられていた、とされ、旧暦の4月8日(新暦では5月8日)に薬師様に供えたり、5月5日の端午の節句ではたくさんつくっていた、と書かれています。

整理すると、5月上旬、5月5日、6月5日、田植え後の半夏と、初夏を通して断続的に動きます。納品先が農村部や新潟・島根のような文化圏を抱えている場合、笹の需要は一つの山では説明できません。


呼び名も葉も地域で変わる

同資料によれば、島根では東部地域で「ちまき」、隠岐地方では「まき」と呼び名が異なります。さらに隠岐地方では笹の葉だけでなく、かやの葉を用いることも多く、これを「かやまき」と呼ぶ、とされています。

使う葉そのものが違う地域があるということです。同資料は、島根の笹巻きはクマザサの葉を使うのが一般的、とも書いています。

納品先の地域で何が「本物」とされているかは、確認しておく価値があります。笹と一口に言っても、想定されているものが違うことがあります。


1個に何枚使うかで見積もりが変わる

同資料が示す笹巻きの作り方は具体的です。もち米とうるち米を混ぜた「まきの粉」を水またはぬるま湯でこねて円錐形のような団子を作り、笹の串を刺し、笹の新葉で包む。それを3〜4枚の笹で包み込むように巻いて、いぐさで解けないようにしっかりと巻いたあと、10本ずつ串をまとめて縛り、たっぷりの熱湯で15分程度茹でて完成する。この巻き方は「本巻き」と呼ばれる、という説明です。

注目したいのは外側だけで3〜4枚使うという点です。同資料は、笹の串を刺し笹の新葉で包んだうえで3〜4枚の笹で包み込む、としているので、実際の消費はこれより増えます。

柏餅が1個1枚なのに対して、笹巻きは見積もりが変わります。外側3〜4枚だけで計算しても、1ケース5,000枚が約1,250〜1,660個分です。串と新葉を足すと、さらに少なくなります。


扱いと工程で押さえること

加熱の方法は茹でと蒸しがある

島根の笹巻きは熱湯で15分程度茹でる作り方ですが、新潟の笹団子は蒸し方が違います。同資料は、3枚の笹を使ってだんごを包み、スゲまたはイグサで縛り、蒸し器で20分蒸す、としています。

どちらの工程でも、葉には耐えられる強さが要ります。乾いて割れやすい葉では、加熱している間に破れます。仕入れた葉がどちらの工程に耐えるかは、試作で確かめてください。

乾いた笹は水で戻せる

葉が乾いて扱いにくいときの手当ては、商品ページに書かれています。青森の笹・笹グリーンパックとも、乾燥を避け涼しい場所で保管すること、乾燥した笹は水に浸けることで再びしなやかになることをご案内しています。

届いた葉が硬いからといって使えないと判断する前に、水に浸けて戻してみてください。加熱工程で破れる原因が、葉の質ではなく乾きにあることがあります。

くっつかせない工夫がある

同資料に、現場で効く一文があります。出来上がっただんごに少量の油をぬっておくと、食べる時に笹にくっつかなくて食べやすくなる、という記述です。

包んだあとに剥がれないという苦情は、葉の質だけの問題とは限りません。生地の側で手当てできる余地があります。葉を替える前に試す価値のある方法です。

縛る資材も要る

見落としやすいのが結束材です。島根の資料はいぐさ、新潟の資料はスゲまたはイグサ、としています。笹だけ手配して縛るものがない、という事態にならないよう、資材一式で見積もってください。

原料の規格や製造工程をまとめた資料をご用意しています。選定の判断材料としてお使いください。

📄 資料をダウンロード(無料)


固くなっても蒸し直せる

島根の資料は、余った分は軒下に吊るして乾燥させ、冷蔵庫で保存することができる、一度に多く作っておいて忙しい時期の間食や子どものおやつとしてもよく食されていた、と書いています。保存したものを食べるときは、再び熱湯で茹でると作りたてのように味わうことができる、とも記しています。

新潟の資料も、固くなってしまったら蒸したりレンジで温めるなど再加熱すると美味しくいただける、としています。硬化しても戻せる菓子だ、ということです。

さらに同資料には、冷凍技術が発達したことから一部の海外向けに輸出もされている、という記述もあります。冷凍を前提にすれば流通の幅が広がる商品だ、と読めます。


発注前に確認しておく項目

確認すること なぜ見るか
需要の山の位置 5月5日か、6月5日か。半夏まで続く地域もある
1個あたりの枚数 笹巻きは3〜4枚使う。柏餅の感覚で数えると足りない
束かパックか 50枚×100束と300枚×10P。単位が違うので枚数に直す
茹で工程への耐性 15分茹でる作り方がある。破れないか試作で見る
納品先の地域 呼び名も使う葉も地域で変わる。何が期待されているか
保管の余力 ケース単位で置ける場所があるか
加熱後の色 茹でや蒸しで緑が抜けることがある。見映えを要件にするなら試作で確かめる
葉の寸法 巻く菓子の大きさに足りるか。自然素材なので個体差がある
結束材の手配 いぐさやスゲが要る。笹だけ頼んで縛るものがない事態を避ける
規格書 産地、賞味期限、保存条件。取引開始の前提になる

よくある質問

青森の笹と笹グリーンパックはどう違いますか

規格が違います。青森の笹は50枚×100束、笹グリーンパックは300枚×10Pです。どちらを選ぶかは、1回の仕込みで使う量と、開けたあとの管理のしやすさで決めてください。詳しい仕様はお問い合わせください。

笹の産地や種類は指定できますか

美濃与では青森の笹笹グリーンパックをご用意しています。商品ページでは産地についてはお問い合わせください、とご案内しています。産地や種類を商品の要件にする場合は、その前提でご相談ください。

笹の入荷時期はいつですか

季節資材なので、動く時期の前に押さえておくのが基本です。年間の使用量が読めている場合は、早めにご相談ください。

柏の葉と併用できますか

用途が違います。柏餅と笹巻きでは包み方も枚数も変わるので、それぞれで見積もってください。柏の葉の選び方は柏葉は3形態で保管条件が逆になるにまとめています。

2種類を比べられますか

試作用のご相談を承っています。束とパックで扱いやすさが変わるので、実際の仕込み量で比べていただくのが確実です。


あわせて読みたい

参考:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑・笹巻き、ちまき」同「うちの郷土料理・笹団子(新潟県)」


業務用の調達・サンプル請求はお気軽にご相談ください

笹は包む枚数が菓子によって変わるため、必要量の見立てがずれやすい資材です。1枚で足りるのか2枚要るのかで、同じ生産計画でも発注量が倍近く変わります。菓子の形と個数からの逆算もお手伝いします。

原料の選定でお困りではありませんか

素材開発や品質管理、OEM事例、製造工程をまとめた資料をご用意しています。必要事項をご入力いただくとダウンロードできます。

試作段階のご相談も承っています。京都本社・東京営業所・伏見の大豆焙煎所で対応します。

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